どうも!ぴえ郎です!毎日漫画を漁りながら生活しています。
今回は寄生虫に焦点を当てた医療サスペンス漫画を紹介!
目次
漫画「インハンド プロローグⅠ-ネメシスの杖-」あらすじ
(©『インハンド-ネメシスの杖-』)
”背表紙あらすじ”
「人間は弱く愚かだから、システムで悲劇を防ぐべきだ」
厚労省・患者安全委員会の阿里玲は、台田総合病院で起きた医療事故を、南米で猛威を振るう伝染病・シャーガス病ではないかと疑うが
病院の医師たちや患者の遺族でさえ調査の中止を求める。
厚労省の「上」からも隠蔽の命が下り、不審に思った阿里は日本に数少ない寄生虫専門家の一人に助けを求めた。
奇人にして天才、紐倉博士と阿里がこの医療事故の裏に見つけ出したものはーー?
今回は講談社・イブニングKCより『インハンド プロローグⅠ-ネメシスの杖-』という漫画を紹介します!
※本作は2013年にアフタヌーンKCで発売された『ネメシスの杖』の新装版です。
作者は朱戸アオさんです。朱戸さんは本格医療サスペンスの新鋭として注目されています!
インハンドはシリーズ化しており、現在最新シリーズがイブニングで連載中です。
新装版の時系列は『インハンド プロローグⅠ』→『インハンド プロローグⅡ』→『インハンド』となっています。
オリジナル版は少しややこしく、『ネメシスの杖』→『インハンド 紐倉博士とまじめな右腕』→『インハンド』とタイトルが違うので注意!
もちろん内容は同じです。
そして、本作は今月からドラマがスタートします!
原作が面白いので結構期待しております!
それでは早速内容と感想を紹介していきたいと思います!
※以下ネタバレも含まれているので注意
漫画「インハンド プロローグⅠ-ネメシスの杖-」感想
登場人物
(©『インハンド-ネメシスの杖-』)
紐倉 哲
奇人にして天才、そして右腕が義手の寄生虫専門家。
大雑把で自己中な性格だが、寄生虫の知識に関しては右に出るものはいない。
自身が開発したかゆみ止め薬がヒットし、大金持ちである。
FBIの捜査に関わっていた過去がある。
(©『インハンド-ネメシスの杖-』)
阿里 玲
厚労省・患者安全委員会の調査官。
正義感が強く、間違ったことは許さない性格。
台田総合病院で起きた医療事故を調査している中で事件に巻き込まれていく。
事件の発端
(©『インハンド-ネメシスの杖-』)
本作は台田総合病院の医療ミス隠蔽から物語が始まる。
台田総合病院である患者が心筋炎を起こし、その後医療ミスにより亡くなってしまう。
しかし、単なる医療ミスではないらしい。
厚労省患者安全委員会の元に匿名の手紙が届きます。
そこには「台田総合病院は患者がシャーガス病を罹患していることを把握していながら、カルテを改ざんし隠蔽している」と書かれていました。
そのことを厚労省に伝えるが、病院と厚労省の上の人間は繋がっており、今回の件を公にしないよう命じられた阿里。
曲がったことが嫌いな阿里は、上司の命令を無視して単独で調査に乗り出す・・・。
天才寄生虫博士・紐倉との出会い
(©『インハンド-ネメシスの杖-』)
単独で調査することになった阿里は、寄生虫に詳しい大学教授に電話で協力を求めるが、教授は現在南米にいるため協力出来ないという。
そのかわり、日本にいる知人の寄生虫専門家を紹介されます。
その人物の名前は紐倉哲。
その業界では奇人であり天才として有名なようだが・・・。
教えてもらった住所に出向いた阿里の前に現れたのは、右手が義手の男でした。
しかし、阿里が厚労省の人間と聞いた瞬間、「帰ってくれ」と言う紐倉。
かと思えば、「シャーガス病の患者の血液がある」と言うと、態度をコロッと変えた紐倉は話を聞いてくれることに。
調べてみるとやはり亡くなった患者は「シャーガス病」を発症していた。
「シャーガス病」とは?
(©『インハンド-ネメシスの杖-』)
紐倉によると「シャーガス病」とは、寄生虫によって発症する病気らしく、吸血性昆虫のサシガメが媒介するトリパノソーマという原虫が原因だという。
症状は粘膜から体内に侵入したトリパノソーマが血中を泳いで、心筋や消化器にたどり着いた後、十数年かけて臓器を蝕み心肥大や巨大結腸を引き起こす。
急性期には台田総合病院で死んだ患者のように心筋炎で死亡する場合もあるらしい。
慢性期になってしまうと治療法はなく、危険な寄生虫である。
日本にはいない寄生虫で、日本で「シャーガス病」の患者がいるとすれば、輸血か南米帰りもしくはジュースが原因だと紐倉は言います。
はたして、患者はなぜ「シャーガス病」なってしまったのか!?
ジュースが原因で発症!?
(©『インハンド-ネメシスの杖-』)
「シャーガス病」で死亡した患者の名前は桶屋という男性。
彼は”桶屋食品”の社長であり、桶屋食品は16年前にトリパノソーマをばらまいてシャーガス食害事件を起こしていた。
アレルギーを改善するという謳い文句で売り出していた「チチクチジュース」を飲んだ人が「シャーガス病」に罹り死亡するという事故です。
チチクチというのは、南米原産の果物です。
このジュースに寄生されたサシガメの糞が混入していたことが原因でこの事件は起こりました。
しかし、16年経った今なぜ「シャーガス病」に罹ってしまったのか!?
その影には、16年前の事件で娘を亡くしたある人物の存在が・・・!?
医療サスペンスとしての面白さ
(©『インハンド-ネメシスの杖-』)
本作は単なる医療サスペンスというよりもヒューマンドラマに近い雰囲気を持った作品です。
しかし、医療サスペンスとして見ても普通に面白い!
事件発生から解決までのプロセスもサスペンスとして完成度が高く、シリアス過ぎず、かといって軽すぎないので読みやすいです。
そして、1巻で綺麗にまとまっており、1巻とは思えないぐらい読み応えがあります。
知識本としての面白さ
(©『インハンド-ネメシスの杖-』)
知識本という言葉であっているのか分かりませんが、寄生虫に照準を合わせた珍しい作品でそういう意味でも読み応えがあります。
医療をテーマにした作品は多数ありますが、寄生虫をメインに扱った作品は珍しく、新鮮で楽しめました。
寄生虫やそれを原因とした病気のことが詳しく書かれているので、奇病などにワクワクする方は楽しめると思います。笑
その辺はなんとなく『ブラックジャック』に通ずるものがあるように感じました。
キャラが魅力的
(©『インハンド-ネメシスの杖-』)
本作に登場するキャラクターは魅力に溢れています。
続編はありますが1巻完結ながら、キャラの特徴がしっかり描かれているので、物語への没入感は抜群!
一人一人パンチが効いていることで、ストーリーにメリハリが出て読み応え十分です。
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漫画「インハンド プロローグⅠ-ネメシスの杖-」まとめ
(©『インハンド-ネメシスの杖-』)
本格医療サスペンスとしてもヒューマンドラマとしても楽しめる良作です!
感染症や寄生虫のリアルな恐怖を味わうこともでき、物語の重厚感も素晴らしい!
本格的でありながら、重すぎず軽すぎない雰囲気で読みやすさ、読み応えともに抜群です!
Ⅰ巻とは思えないぐらい内容が詰まった作品で作者さんの技量の高さが伺えます。
ドラマも始まるのでかなり楽しみですね!
ドラマを見ない方にも本作は是非読んでほしいです!
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