漫画「Waltz」ネタバレ感想。いくつもの思惑が複雑に絡み合う名作!

どうも!ぴえ郎です!毎日新しい漫画を漁りながら生活しています。

今回は大須賀恵さん×伊坂幸太郎さんの『魔王 JUVENILE REMIX』のスピンオフ作品である『Waltz』を紹介します!

漫画「魔王JUVENILE REMIX」ネタバレ感想。最強タッグ!伊坂幸太郎✕大須賀めぐみが贈る超名作!!

漫画「Waltz」あらすじ


©『Waltz』)

背表紙あらすじ

街を彷徨うその少年を彼は「蝉」と呼んだーー

今、一人の少年が闇に放たれた。

導く男は、少年に何を見たのか。

勇気、決意、対決ーー

「殺し屋」たちの円舞曲。

伊坂幸太郎オリジナル原作に大須賀めぐみが再び挑むーー!

今回は小学館・ゲッサン少年サンデーコミックスより『Waltz』という漫画を紹介します!

作者は『魔王 JUVENILE REMIX(以下魔王JR)』『VANILLA FICTION』などでお馴染み大須賀めぐみさんです。

現在は月間少年サンデーで『マチネとソワレ』という演劇漫画を連載中!

ゲッサンと言えば大須賀めぐみというぐらいゲッサンを代表する漫画家さんですね。

本作は『魔王JR』と同じく、伊坂幸太郎さんの小説が原作の漫画で『魔王JR』のスピンオフ作品

ベースとなっている小説は、映画化もされた『グラスホッパー』です。

原作にかなりアレンジを加えながらも原作を越えるレベルで面白い漫画を描く大須賀さんは天才だと思います!

『魔王JR』の4年前の物語で前日譚的な物語ですが、どちらから読んでも楽しめる作品になっています。

どちらを先読むかで違った楽しさがあると思います。

それでは早速感想と内容を紹介していきたいと思います!

以下ネタバレも含まれているので注意

漫画「Waltz」感想

大まかなストーリー

  • STEP.1
    殺し屋として生きていた少年は素行が悪く裏社会でも居場所がなかった


    ©『Waltz』)

  • STEP.2
    そんな社会の害虫だった少年の前に胡散臭い男が現れる


    ©『Waltz』)

  • STEP.3
    男の名は岩西。岩西は名前のない少年に”蝉”と名付ける


    ©『Waltz』)

  • STEP.4
    岩西は蝉をプロに育ててやると言った


    ©『Waltz』)

  • STEP.5


    ©『Waltz』)

登場人物


©『Waltz』)

 

せみ

本作の主人公。17歳

驚異的な身体能力とナイフを武器にする殺し屋。

「弱ければ死んで当然」「世界は死体で満ちている」という考えを持っている。

劣悪な家庭環境で育ち、孤独に生きていたが中学卒業後殺し屋の世界に入るが、そこでも素行の悪さから居場所を失っていた。

そんな中、仲介人・岩西に雇われる。


©『Waltz』)

 

岩西いわにし

殺し屋を使い金儲けする仲介人。36歳

金以外のことは信用しておらず、雇った相手はその場限りの関係で切り捨てる冷徹な性格。

情報屋の紹介で偶然出会った蝉の腕を買い、雇うことに。

「みんみんうるさいから」という理由から蝉と名付けた。

しばしばジャック・クリスピンというミュージシャンの歌詞や言葉を引用する。


©『Waltz』)

 

もも

情報屋。

情報収集能力の高さは岩西を含む裏稼業の人間から一目置かれている。

基本的に誰の味方でもなく、金を払う人間には情報を提供する。

常に大量の甘いものを食べており、現在は抜群のプロポーションの美しい女性だが・・・。


©『Waltz』)

 

苺原 稔いちごはら みのる

気弱な性格の高校生。

学校ではいじめられ、バイト先では仕事ができないことから邪魔者扱いされている。

人生に嫌気が差し自殺を考えていたが、ある殺し屋との出会いにより運命が変わる。


©『Waltz』)

 

大藪おおやぶ

殺し屋。通称:首折り男

素手で人の首をへし折る程の腕力を持つ。

人助けせずにはいられない性分でいじめに遭う苺原を助ける。

 


©『Waltz』)

 

チクタク

東アジアの新興集団の総称。

犬を使い集団で連携を取り攻撃する。

常に時計を持ち歩いており、決めた時間ぴったりに完遂することから業界で”チクタク”と呼ばれている。


©『Waltz』)

 

帽子卿ぼうしきょう

特殊な癖を持つ殺人鬼。

帽子に対して異常な執着を持っており、帽子に似合う女性を探している。

お眼鏡にかなった女性の頭に帽子を被せてコレクションしている。




孤独に生きる殺し屋の少年

人に対してなんの感情も抱かない少年は、裏社会で生きていた。

劣悪な家庭環境で育ち、幼い頃から「弱ければ死んでも当然」と考えていたが周囲からは理解されず常に孤独だった。

このときはまだ呼び名もなく、本人もプロの意識は皆無でターゲット以外の人間もムカついたという理由だけで壊滅させた。

依頼人を激怒され、追われる身に・・・。

腕は立つが素行の悪さから裏社会でも居場所を失くした少年の前に胡散臭い男が現れる。


(©『Waltz』)

”蝉”誕生


©『Waltz』)

胡散臭い男の名前は岩西

少年の仕事の一部始終を見ていた岩西に「一銭の金にもならないような殺しをするプロ意識のない殺し屋はただの人殺し」と揶揄されるが聞く耳を持たない少年。

そんな彼を見て「みんみんうるさいから」という理由で岩西は少年を”蝉”と名付ける。

プロとしては全くダメだが、腕を買った岩西は、蝉に依頼を持ちかける。

依頼内容は先程しくじった事で追ってくる連中を始末すること。


©『Waltz』)

報酬は『お前をマネージメントし、稼げるプロにする』というものだった。

岩西という見るからに胡散臭い男との出会いが少年の運命を変える!




首折り男と苺原


©『Waltz』)

本作は蝉たちが『首折り男がターゲット』を軸に物語が進んでいきます。

首折り男とは、大藪という男の通称で武器を使用せず、素手で仕事をこなす事からそう呼ばれている。

業界から狙われる大藪と苺原という高校生が物語に大きく関わってきます。

苺原は学校ではいじめられており、気弱な性格です。


©『Waltz』)

しかし、首折り男・大藪と顔が瓜二つという理由から、大藪のマネージャーと名乗る男から大藪の代役をするよう頼まれます。

大藪をチクタクに会わせないといけないと言うマネージャーの頼みを断れなかった苺原は、蝉やチクタクたちから首折り男と勘違いされ狙われることになります。

岩西とジャック・クリスピン


©『Waltz』)

本作の岩西というキャラは、事あるごとにジャック・クリスピンという歌手の言葉を引用して喋ります。

その言葉が全て名言で本作の魅力のひとつでもあります。

よく現実の世界では実在しないけど作中の世界では実在する歌手であると思われている方が多いですが、現実の世界はもちろん作中の世界でも存在しないと思います。

ジャック・クリスピンという歌手は、実は存在しておらず、岩西が勝手に作り上げた人物だということがあるコマから分かります。

そのコマは、蝉が初めて岩西に会った後、満喫で気になった蝉はジャック・クリスピンをインターネットで検索しますが全く該当するものが出てこないというものです。


©『Waltz』)

この事から自分で言うのは恥ずかしいから、照れ隠しでジャック・クリスピンという架空の歌手の言葉ということにしているだけと思われます。

岩西の嘘つきで気取ったキャラ的にもそうとしか考えられないですね。

ジャック・クリスピン(岩西)名言集

”ジャック・クリスピン曰く、人生を有意義にする一番の武器は礼儀だ”

”ジャック・クリスピン曰く、死んでるみたいに生きたくはない”

”ジャック・クリスピン曰く、やったら逃げろ”

”ジャック・クリスピン曰く、ただでできる遊びは二つ。未来について考えるか、花弁を数えるか”

”ジャック・クリスピン曰く、室内の美しさが身体からも滲み出る”

”ジャック・クリスピン曰く、仕事と女の価値を決めるのは他の奴らじゃない、俺だ”

”ジャック・クリスピン曰く、家に帰るまでが遠足、報酬を受け取るまでが殺し屋の仕事だ”

”ジャック・クリスピン曰く、改悛した魔女は掃除をはじめる。恋した強盗は信号を守る”

”ジャック・クリスピン曰く、火事の家から持ち出すのは命より、仕事道具だ”

”ジャック・クリスピン曰く、目の前の楽譜を演奏しろ。自由はそれからだ”

”ジャック・クリスピン曰く、人生から逃げる奴はビルから飛んじまえ”




蝉の成長が見られる!


©『Waltz』)

プロとしての自覚もなく、ターゲットや依頼主関係なくムカついたら殺していた蝉が岩西と出会ったことで、プロとして成長していく姿が見られます。

最初は岩西の言う事に聞く耳を持たなかったのですが、岩西の言う通り仕事をこなしていくにつれて、プロとして大切なことを学んでいきます。

岩西はすぐに嘘をついたり、ふざけているように見えますが実は蝉のことを思って行動しているのでカッコいいです!

本作の4年後の物語が描かれる『魔王JUVENILE REMIX』では、プロになった蝉が見られます!

様々な思惑が絡み合うストーリー


©『Waltz』)

本作は、蝉と岩西、大藪と苺原、チクタク、帽子卿のそれぞれの思惑が交差する複雑な展開がとても面白い作品です!

複雑ながら無駄が一切ないので、スピード感のある展開にどんどん引き込まれていく魅力があります!

首折り男には首折り男の正義があり、蝉や岩西にも正義があるので、どちらが完全に悪というものではないところが面白い!

まあほぼ全員一般人からしたら全員悪人なのですが笑

原作を越える面白さ!


©『グラスホッパー』)

原作は伊坂幸太郎さんなのでさすがという感じですが、本作は原作通りではなくほぼオリジナルストーリーです。

『魔王JR』もそうですが原作のキャラや物語を活かしながら、再構成してここまで面白くできる大須賀さんの天才ぶりが伺えますね!

漫画だけでなく、映画やアニメでも原作を越える作品にほとんど出会ったことがないのですが、大須賀さんの作品は僕の中では原作小説を越えています!

ちなみにジャック・クリスピンのセリフは全て伊坂さんが考えています!天才です!

もちろん原作小説『魔王』『グラスホッパー』もかなり面白いのでおすすめです!

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漫画「Waltz」まとめ


©『Waltz』)

『魔王JR』に登場する殺し屋・が主人公のスピンオフ作品である本作。

個人的には魔王より好きな作品です。

どちらも超名作なので絶対読むべき漫画ですが(‘ω’)

圧倒的キャラの魅力、スピード感のある展開、無駄が一切ないストーリーを併せ持つ神漫画!

全6巻でキャラ全員の魅力を引き出し、きっちりまとめ上げる構成力はさすがの一言!

大須賀さんの作品ははずれがないので安心して読めます!

本作から4年後の物語が描かれる『魔王JUVENILE REMIX』を併せて読むことをおすすめします!

『魔王JUVENILE REMIX』はこちらから⇩

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この本の評価
ストーリー
(4.5)
画力
(4.0)
キャラ魅力
(5.0)
読みやすさ
(4.5)
オリジナリティ
(4.0)
総合評価
(5.0)